経営数値を紐解くと、問題や課題が見える
皆様、こんにちは。
「未知を道へ変えていく」、株式会社MAP経営福岡支社の田中です。
さてさて、ネットニュースを見ていましたら、「幸楽苑が日高屋に負けた理由」という記事を発見。
仕事柄、非常に気になる記事でしたので、注目して読んでしまいました。
幸楽苑を運営している幸楽苑ホールディングスの2017年3月期決算は、売上高が前期比1.0%減の378億円、営業利益は前年比83.1%減の1.47億円で、営業利益が大幅に減ってしまった。
原因としては、幸楽苑の従業員がチャーシューを仕込んでいる間に、ハムスライサーで誤って指を切断してしまい、それがお客様の商品内に混入してしまった異物混入事件に伴う対応費用や、再発防止対策費用で経費がかさんでしまったからだそうだ。
幸楽苑は私も、以前に何度か入店したことがある。(福岡に来てからは1回も行った記憶がない・・・)
「ラーメンが安い!」という印象だ。
でも、原材料や人件費の高騰によって、それまで行っていた「中華そば/税別290円」をやめて、いまは「新・極上中華そば/税別421円」が最安値のラーメンだそうだ。
それまでの看板メニューをやめてしまい、ラーメンの値上げに踏み切って、それで競争力が失われてしまって、それからは来店数が減少続きとのこと。
価格の変化が客数に大きな影響を与えてしまう「価格弾力性」が高い商品を値上げしてしまったことで、お店としての魅力をお客様が感じてしまわなくなってしまったようだ。
一方で、「日高屋」。
日高屋は、独身時代に東京は練馬区に住んでいた時に近くに店舗があったため、よく通いました。
日高屋は、直営店舗のうち95%が駅前繁華街に立地している。(それに対して幸楽苑は繁華街ではなかなか見かけない。地方のロードサイドでよく見かける)
セブンイレブンがやるようなドミナント戦略(関東中心に駅前一等地に集中出店戦略)を採用しているから、だから大阪や福岡では日高屋は見かけないのですね。
駅前繁華街に立地しているため、幸楽苑にはできないような、ちょい飲み需要にもこたえられ、価格の面でも最安値のラーメンが「中華そば/税別390円」で、幸楽苑に勝っている。
財務面をみると、売上高に対する販売管理費の割合が、幸楽苑が72.6%、日高屋は61.3%で日高屋の方が良い。
売上高営業利益率は、日高屋は2018年2月期で11.5%、幸楽苑は0.3%。(上場企業約90社の外食産業で10%以上の売上高営業利益率の企業数は10%も無いらしい)
一番最初書いたように、確かに異物混入事件の対応で経費を掛けてしまったところはあるだろうが、それだけでここまで売上高販売管理費率、売上高営業利益率で差が開くことはないでしょう。
そもそもの経営体質の強さの違いで、ここまでの差が生じているのだろう。
やはり数値から紐解いていくと、いろいろとその企業の抱える課題や問題が見えてくるので、面白いですね。
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